2013'02.04 (Mon)

変わり映えのしない日常の中で

いつもと変わらない日常を過ごした、筈だった。
その日も僕はいつも通り帰ってきた。

「おかえり」
僕の帰りを待っていた兎は、読んでいた本を閉じ、椅子から立ち上がり、いつも通りの挨拶をした。
「・・・・・・」
寒い。耳が痛いほど外は冷え切っていて、暖房もついていないこの部屋でさえも暑く感じた。
普段から慣れない気温差に耐えられず、僕はその場に座り込んでしまった。

いつも通りのやり取りをする、筈だったのに、自分の身体は思った以上に疲弊していた。
「・・・?」
いつもとは違う反応を取られ、不思議そうにこちらを見るステラ。その目は、心配そうに見ているより、その異変の原因を探っているようにもみえた。
「・・・なんだよ」
「別に」
そう言うとステラは何事もなかったかのように椅子に戻った。

しばらくの間、お互いに沈黙が続いた。聞こえるのは外からの風の音と、それによって軋む雨戸の音だけだった。
その沈黙に耐えきれ無かったのだろうか、
「・・・ひとりにさせてくれ」
「・・・・・・」
よりどころのない怒りに任せた放言だった。
自分でも何をしているのか分からず、ただ座りながら突っ伏してるだけだった。

そんな惨めな僕の事見、ステラは再びこちらに近づく
「その前に」
「え」
少々きつく、また言ってしまった。
その瞬間だった。

ステラはその両手で僕の顔を起こし、自身の顔に無理矢理合わせた。
「・・・!!」
遂に怒り、顔をしかめた。
それでも彼女はお構いなしに続けた。

「何があったのかを、一言でいいから、言ってからにして」


なぜか、頭の中の不純な思いが一気に整理されていった。

ステラが言った言葉はそれだけだった。そして部屋から出ようとした。
「ちょっと待って」
僕はただ無心にステラの事を呼び止めた。

僕は今日あった事を、何にも包み隠さず話た。できる限り鮮明に。
内容は殆どが話すには辛い内容で、できれば話さずにおいて置きたかったものばかりだった。
でも、話した。

一通り話した後、僕は少し落ち着いた感じがした。
話を一方的に聞いてたステラは最後に、
「ふん・・・で、スッキリした?」
そう言い、静かに自分に向かって体重をかけていった。
ふわっ、と、彼女の優しい香りがした。
「・・・・・・うん」
僕はその心地に、涙を流しながらただただ甘んじるだけだった。





「ご飯はどうするの?」
「そういえばまだ食べてない」
時計を見たら、もう日付が変わっていた。元々自分は日付が変わる後に帰宅しているから、そう珍しい事ではないのだが。
「今から作るけど、いい?」
「うん、お願い」
十数年前、いや、それ以上から前にあるであろう「ご飯にしますか、それともお風呂にしますか」というお約束のフレーズは、そのTPOを誤ると凶器になりかねない言葉だ、と感じた。
心から疲れてる人には、飯を食べたり風呂に入る気力すらないものだ。
そんな時に、美味な飯の匂いや万全に整った風呂場を見たところで、休息が得られるかと思えば、そうでない時の方が多いのである。
そんな事を想像して、今の状態と比べてみると、実に対照的だった。
部屋には晩飯どころか、物音すら何一つ付いてない程だった。
そんな、虚無空間の中あいつは長時間も待っていたのだろうか。

「できたよ」
ものの十分でできた晩飯は、それは簡単な出来栄えのうどんだった。
「「いただきます」」
一口食べると、体の芯から温まる。その味は、どんなに豪華な料理でも勝るだろう。
そんな料理を口にし、ようやく得た安心感。だが、まだ一つ、疑問に感じたことがある。
なぜ、自分がこんなに疲れていたことを知っていたのか?だ。だが、これについては質問するまでもない。
あまりにも野暮だったからだ。そんなもん、ツーといえばカーと返ってくるだろう(?)
「ねえ、」
「ん」
うどんをすすりながら話しかける。
「せっかくここまで待ってやったんだから」
「だから?」
「・・・」
しばらく黙ってると、恥ずかしそうに頭に手をやる。
「・・・しょうがないなあ。風呂が沸くまでだからな」
「そう言って、本当は・・・撫でたいんでしょう?」

「・・・・・・・・・・・・」


生 意 気
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【More・・・】

本当につかみどころのない奴である。
それ故の自由なのだろうか。



なんかまた奇妙な文書が増えましたね。暇な時間を大いに無駄にしている感。
でも、そんな永久機関並みのメンタルを持つ人間も、たまには疲れるわけで、
ときどきリラックスする手段を見つけないとダメになります。


そんな時、助けてくれるのは、家族でしょうか?友達でしょうか?

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